新会長就任の御挨拶
東芝エネルギーシステムズ(株)
六ケ所再処理建設所長 中久木 功
青森県でも春爛漫の時期を迎え、心和む季節となりました。再処理企業協議会会員企業の皆様におかれましては陽気に満ちた中で、ますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。
この度、再処理企業協議会第13回特別会員総会(4月17日)において、会長という大役を仰せつかりました東芝エネルギーシステムズ(株)の中久木と申します。弊社の建設所長に就任してから、約3年半経過しました。今後は本協議会の更なる繁栄に向け努力してまいりますので、皆さんのご協力・ご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い致します。
私はこの再処理工場の業務に30年以上、E施設やF施設の頃から、関わっております。若い頃は主に中央制御室の監視盤や計算機システム等の設計に携わっていました。業務の性質上、多数の施設や機器とのインターフェースがあり、すなわち必然的に多くの企業さんと協調し、この大規模な工場や複雑なシステムを完成させることにワクワクしながら、進めてきました。各社のベテランの方から学ぶことも多く、技術者として、社会人として育ててもらったと言っても過言ではありません。
また私以外のメンバーも、いろいろな領域で多くの企業同士が知恵を出し合い、共通設計や標準施工的なルール決め、現場での工程調整等も含めて建設に取り組んでまいりました。
まさにこの再処理工場は、事業者である日本原燃殿のもとに、多くの各企業が想い入れを持って、協力、協調してきた歴史と文化があると考えています。
こういった元々の土台のうえに、今後も再処理工場しゅん工を見据え、その後の安全・安定操業に向けた保全体制を築くべく、会員企業を対象とした各種教育や技能訓練の充実による力量向上、コミュニケーション推進を図ってまいりたいと考えています。
特に昨年のアンケートでは、新型コロナの収束も受けて、会員企業相互のコミュニケーションイベント等の再開、活発化を望む声も上がっているようですので、次につながるように少しずつでも前進させていきたいと思います。
是非、忌憚の無い、率直な意見、新しいアイディアを交換しあい、この再処理協議会と再処理工場を盛り上げていきたく、いっそうのご協力をお願い申し上げます。
さて、昨年日本政府はGX(グリーントランスフォーメーション)
実現に向けた基本方針を取りまとめ、その中で原子力を活用することの重要性が確認されました。
今年は、既存原発特に沸騰水型軽水炉の再稼働等も具体的に予定されており、それを支える原子燃料サイクル、とりわけ再処理工場の予定通りのしゅん工・操業にもいっそうの期待が高まっています。
そうした中で、事業者である日本原燃(株)殿の基本方針の第一番目である「安全を最優先する」を我々再処理企業協議会会員も肝に銘じ、安全文化の継続的な向上に努めていかねばなりません。
今後、設工認認可取得後は、しゅん工に向けて、再び工事がピークを迎え、現場も錯綜することが予想されます。日本原燃(株)殿のご指導の下に、各企業が連携したエリア調整、工程調整、現場運用を進めることにより、より安全な現場、職場、品質維持を確立していきたくご協力をお願いします。
特に、昨今の労働災害の傾向として、本工事作業以外の付帯的な作業、移動等での災害が多数発生していますので、常に緊張感を持って、業務にあたるよう、努めていきましょう。
最後になりますが、会員の皆様の今後のご健勝とご活躍・ご発展を祈念いたしまして、会長就任の挨拶とさせていただきます。
ご安全に。
以上